雑記

【簿記3級】前払・前受・未収、未払の簡単な解き方

簿記3級で未収・未払・前受・前払の決算整理仕分けが苦手な人は結構いるみたいなので超簡単な解き方を解説していきます。 私がいくつか試して一番しっくりきた解き方です。

なお簿記3級の勉強方法に関しては、以前記事を書いているので参考にしてみてください。

1ヶ月で簿記3級に受かった1日1時間の勉強法

どの勘定科目を用いるか

勘定科目は次のとおり。

未収収益・・・未だ入っていないお金=お金がもらえる権利のため資産の勘定科目

未払費用・・・未だ払っていない費用=払わなくてはならない負債の勘定科目

前払費用・・・前もって払っておいたお金=今後払わなくていい権利で資産の勘定科目

前受収益・・・前もって受け取ったお金≡今後お金をもらえない負債の勘定科目 ※厳密には違うところもあるかもですがイメージをつかんでください。

決算整理の時のポイント

決算整理をしてP/L,B/Sを作るわけですから、正確に収益を算出しなければなりません。
本来もらえるはずだった未収収益や、前払で払い過ぎた分の整理をするなどの作業が発生するわけです。
その上で問題を解くポイントを次のとおり紹介します。
・状況を理解する
・決算整理に必要な計算をする
・背景の仕分けを考えて仕分けをする

問題を解く上で一番重要なのが3番目の背景の仕分けを考えることです。
次の練習問題でも解説しますが、未収、未払、前受、前払をするときに混乱してしまうのが、勘定科目を貸方に書くのか借方に書くのかです。
該当する勘定科目が資産なのか、負債なのかを理解しておけば簡単かもしれませんが少し混乱しやすいので、問題を解くときは背景の仕分けから解くことをおすすめします。

練習問題で解説

①決算のため、支払家賃800円のうち、次期分200円を前払処理する

状況理解→家賃を次期分も払い過ぎてしまったから当期分だけに整理したい。支払家賃を当期分だけにする。
必要な計算→今回は200円と提示されているので不要ですが、当期分がいくらなのかを計算しましょう。
背景の仕分けを考える→仮に現金で家賃を支払ったとした場合、事前に次のとおり仕分けをおこなっていることが予想できます。
 (借)支払家賃800(貸)現金800

以上を踏まえて実際に問題を解くと。
先ずは支払家賃を減らす必要があるので、貸方に支払家賃をもってきて次期分を減らします。
 (借)(貸)支払家賃200
そして借方に該当する勘定科目を持ってくればOKです。
 (借)前払家賃200(貸)支払家賃200

これだけです。背景の仕分けを頭の中でやると非常に簡単です。次の前受の問題もやってみましょう。

②決算のため、受取家賃1200(1年分)のうち、次期の4ヶ月分を前受処理をする

状況理解→一括で受け取った家賃から次期の4ヶ月分の家賃を収益から減らす。
必要な計算→1年分1200なので、1ヶ月100、4ヶ月では400。これを収益から減らす。
背景の仕分けを考える→一括で家賃を受け取った時の仕分けを考えてから次期分の整理を行う。仮に現金で受け取ったときは下記の通り。
 (借)現金1200(貸)受取家賃1200

以上を踏まえて問題を解くと。
まず受取家賃を減らしたいので借方に受取家賃で次期分400を持ってくる。
 (借)受取家賃400(貸)
そのあと貸方に今回の前受の勘定科目を持ってればOK
 (借)受取家賃400(貸)前受家賃400

これだけです。どうでしょうか、難しくはないかと思います。

③倉庫(建物)を100円で購入し、代金は月末に支払うことにする

未払金は単純で、買掛金の代わりに未払金という勘定科目を用いれば良いだけです。商品の仕入れなど商品に関係するときは掛金、それ以外は未払・未収入金の勘定科目を使うと覚えておいてください。
 (借)建物100(貸)未払金100

ちなみに未払金を払った場合(今回は現金)は下記の通りです。
 (借)未払金100(貸)現金100

以上。

④倉庫(建物)を100円で売却し、代金は月末に支払うことにする

③と全く同様です。
 (借)未収入金(貸)建物100

ちなみに現金を受け取った場合は下記の通りです。
 (借)現金100(貸)未収入金100

以上。

⑤×1年8月1日、会社社屋について、この先2年分の火災保険料24万円を小切手で支払った。×2年3月31日の決算になった場合の仕分けは?

状況理解→当期8月1日に支払った保険料のうち、来期以降の保険料を当期決算で前払処理をする。
必要な計算→24万円を2年間の24ヶ月で割ると、保険料は月1万円。当期に関係しているのは8~3月の8万円のみ。24万円から8万円引いた16万円を前払処理する。
背景の仕分けを考える→×1年8月1日にやった処理は次のとおり。
 (借)支払保険料240,000(貸)当座預金240,000

以上を踏まえて問題を解くと。
先ず支払保険料を払い過ぎているので、貸方に支払保険料をもってきて、来期以降分16万円を減らす。
 (借) (貸)支払保険料160,000
借方には前払の勘定科目を持ってくる。
 (借)前払保険料160,000(貸)支払保険料160,000

以上。

⑥×1年8月1日、A社はB社に以下の条件で現金100万円を貸し付けた。A社B社それぞれの×2年3月31日の決算になった場合の仕分けは?

元本:100万円
貸付期間:1年間
利率:年1.2%
なお返済期日に元本及び利息を一括して現金を支払う。

●A社の仕分け
状況理解→当期に8~3月にかかる利息を受け取ることができるはずだったため、その分だけ未収処理する。
必要な計算→利息は100万円×1.2%で12,000円。月に換算すると1,000円。8~3月の8ヶ月分の8,000円を決算整理する。
背景の仕分けを考える→今回は利息が支払された時の仕分けを考えてみます。
 (借)???8,000(貸)受取利息8,000
ここの???に入るのが未収入金の勘定科目になります。今回は利息なので下記の通りです。
 (借)未収利息8,000(貸)受取利息8,000

●B社の仕分け
状況理解→当期に8~3月にかかる利息を支払うはずだったため、その分だけ未払処理する。
必要な計算→利息は100万円×1.2%で12,000円。月に換算すると1,000円。8~3月の8ヶ月分の8,000円を決算整理する。
背景の仕分けを考える→今回は利息を支払った時の仕分けを考えてみます。
 (借)支払利息8,000(貸)???8,000
ここの???に入るのが未払の勘定科目になります。今回は下記の通りです。
 (借)支払利息8,000(貸)未払利息8,000

以上。

さいごに

いかがだったでしょうか。
すごくシンプルで簡単だと思いますので苦手意識を持たずに頑張ってください。