資産形成

60代からでも投資信託を始めるべき理由

母親から相談されたのでまとめてみました。次のような疑問を持っている人はぜひ最後まで読んでみて一歩を踏み出してください。

定年前だけど資産運用ってやった方がいいの?
2,000万円あるけどもう安心?
貯金がないけど何から始めるべき?

目次
・資産運用をした方がいい理由
・お金の悩みを解消する手段
・資産運用の開始タイミング
・最後に

資産運用をした方がいい理由

長期的なインフレ

インフレとはモノの価値が上がるとイメージしてください。

例えばマクドナルドのハンバーガは2002年は59円でした。それが20年後の2022年は130円で2.2倍です。はなまるうどんのかけ小は105円から242円になっています。

これらは少し極端ですが、物価は上がります。日銀は年2%を目標に物価の安定的な上昇を目指しています。年2%は20年で48%の上昇となります。

現金をただ持っているだけだと実質的な価値は下がっていくことを覚えていてください。

人生100年時代の長生きリスク

昨今いろいろな場所で取り上げられている話題です。当たり前ですが長生きをするとお金はかかります。どれくらい必要になるのか考えていきましょう。

まず、もらえる年金の平均受給額は厚生労働省年金局「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると約15万円程です。(※人それぞれ違うためねんきん定期便を確認しましょう。)

次に、毎月の生活費を計算しましょう。仮に毎月25万円必要な人は、10万円を貯金から切り崩す必要があります。1年間で120万円。20年で2,400万円になります。これだけの貯金をしている人も少ないでしょう。

なお銀行の預金は、銀行が潰れた時に1,000万円までしか保証されませんがご存じでしょうか。銀行預金とは銀行への超集中投資です。利率も悪くリスクが高いことがわかります。

以上、インフレ、長生きリスクに現金だけの備えで十分でしょうか。

お金の悩みを解消する手段

お金を増やしていく方法は投資だけではありません。年金の繰り下げ受給も非常に効果的なので紹介していきます。

あなたはいくら必要なのか

最低限、毎月必要な生活費ともらえる年金は把握しておいてください。
前述のリスクに備えて100年生きることを前提に計算してみましょう。
そうするとどのような方法でお金を増やしていけばいいのかがなんとなくでも見えてくるはずです。

あまり増やす必要がない人は、前述のリスクヘッジだけをしておけば良いのでリスクの高い投資は避けるなど、投資手法の選定にも役立ちます。

年金の繰り下げ受給

貯金がない人、少ない人に有効な方法として年金の繰り下げ受給があります。年金65歳の受給開始タイミングを遅らせれば、増額した年金を受け取れます。例えば70歳からの受け取りにすると42%も増額した年金を受け取ることができます。81歳が損益分岐点になるのでそれ以上生きれば得をします。
気になる方はこちらをご確認くださいませ。(日本年金機構

投資信託を活用

知っておくべき基礎知識

FXや個別株投資はやらないでください。リスクが高すぎるため定年前の方には向かないです。あとは銀行に勧められる商品を買わないでください。そのような商品は手数料が高くほとんど利益が出ないし、預けているだけでマイナスになる悪質なものも存在します。

投資は危険という考えを捨ててください。危険な投資も存在しますがここで紹介するものは過去の実績に基づく安全性の高いものです。

それを理解した上で次のポートフォリオ作成に進みましょう。

投資信託は債券と株式でポートフォリオを組む

現金は自分が安心できる額を手元に置いておきましょう。目安としては10~20年くらい生活できる額をイメージしてください。

ポートフォリオを組む目的は分散です。可能な限り分散を行いリスクを下げていきます。株式は1社だけに投資するのではなく、投資信託で何十・何百社の詰め合わせパックを買ってください。比率は自分のリスク許容度に合わせて設定してください。リスクを徹底的に下げたい人は債券の割合を高くするのが良いです。

債券は

債券は保有期間中は定期的に定められた利子を受け取れ、満期時には元本が戻ってくるのが特徴です。債券は国や地方自治体が発行する公社債、金融機関た企業が発行する社債、外国の中央銀行などが発行する外国債券があります。

日本国債は運用リスクを抑えることはできますが、金利がほとんど出ません。ポートフォリオには為替ヘッジ付きの外国債券を組み込みましょう。為替ヘッジというのは円高になっても値段が下がらない機能がついたものとイメージしてください。

株式

インデックスファンドとアクティブファンドの2種類があります。インデックスファンドとは市場の平均に沿った動きを目指します。アクティブファンドは市場の平均以上の成果を目指します。

アクティブファンドの方が聞こえはいいかもしれませんが、8割以上のアクティブファンドがインデックスファンドに勝てません。アクティブファンドは手数料も高い傾向にあり、選ぶのが難しいため手を出さないようにしましょう。

具体的な投資先はこちらにまとめているので参考にしてください。積み立てNISAの商品を紹介していますがこちらで十分です。

具体例

『55歳からでも失敗しない投資のルール』で紹介されているポートフォリオは以下の通りです。紹介したものはあくまで参考、この通りにはしないでください。自分で判断して取り組みましょう。

Aさん
普通預金・定期預金:3,000万円
株式:3,000万円

Bさん
普通預金・定期預金:1,000万円
株式:1,000万円
債券:4,000万円

資産運用のタイミング

よくある疑問が一括投資をするべきか否か。手元に投資できる資金が5,000万円ある場合、少なくとも2回以上に分けてください。先ほどポートフォリオで分散と記載したのは投資対象(銘柄)の分散です。回数を分けるのは時間の分散になります。投資した直後に株価が暴落した場合のリスクを下げることができます。

始められるタイミングで無理のない範囲からはじめてみてください。

最後に

やるやらないは自由ですし、投資の判断は最後は自分でしてください。
私がここで伝えたいのは何もやらないのがリスクだということです。
投資を始めるのには自分が納得いくまで勉強をしてからやってくださいね!